総合防犯設備士による防犯対策・監視カメラ・セキュリティシステム構築・関東群馬前橋

「防犯環境設計」防犯対策の世界基準を簡明に解説!

2018年12月6日 カテゴリー: , 防犯対策の基礎知識 , その他・場所全般

ようこそ「防犯対策研究所」へ!
群馬でただ一人の「総合防犯設備士」
セキュリティ・コンサルタント、新井富美男です。

久しぶりの投稿記事です  🙂
先日は(一社)群馬県防犯設備協会の総会にて、「防犯対策の世界基準・防犯環境設計」をテーマとして、警察関係・防犯設備関係の皆様に講演をしてきました。
全員、防犯対策のプロフェッショナル!私もちょっぴり緊張しつつ、しっかりと講師を務めさせていただきました(汗)

防犯環境設計講演

そこで今回は、その講演をベースに、防犯対策の世界基準である「防犯環境設計」について、わかりやすくお伝えします。
理論的で少し難しいと思われますが、あなたやご家族の皆様を犯罪被害から守るとても効果的でシンプルな防犯対策の考え方です。
あまりお金をかけなくても、防犯意識を高めつつ、少しずつ実践することで、あなたに最適な「防犯環境」を構築出来るおすすめのスキルです。

 「防犯環境設計」とは

1970年ころ、凶悪犯罪が多発したアメリカ合衆国で発達した「犯罪機会論」の流れをくむ防犯理論の一つ。
私たちの日常生活や企業活動などのベースとなる地域社会に、犯罪予防・安全確保に適した物理的環境や社会的関係を築いて、セキュリティを構築しようとする手法です。

「犯罪機会論」について詳しくはこちら ⇩
【犯罪機会論:「不審者に気をつけて!」だけでは犯罪被害を防げない!!】

欧米ではCPTED(Crime Prevention through Environmental Design)と呼ばれています。
日本でも、過去においては「付属池田小学校事件」後の立替新校舎、最近では「やまゆり園大量殺傷事件」後の厚生労働省「施設の安全確保」の通知など、政府も準拠するセキュリティ環境構築の重要な理論となっています。

 防犯環境設計「四つの基本原則」とは 

具体的には、防犯環境設計「四つの基本原則」に基づき、私たちの身のまわりに効果的な「防犯環境」を構築して行きます。

まずは、全体のイメージをイラストでわかりやすく図解にしたので、概要を把握してみて下さい。

「防犯対象物」とは犯罪企図者などの外敵から守るべき「私たちのリソース・資源」=「生命・身体や金品・財産など」のことです。
その大切な「防犯対象物」の周囲に、これからお伝えする「四つの基本原則」に沿って「防犯環境」のバリアを構築し、犯罪被害を防ぎます。
防犯環境設計

1.「防犯対象の強化・回避」

「防犯対象物」(人物・設備・金品など)そのもの自体を、犯罪企図者などから守るべく、窓やドアなど開口部を錠前・防犯ガラス・防犯面格子等で物理的に強化したり、非常時に退避するシェルターを設置するなどにより被害を防ぐ。

あまりお金をかけなくても、「はじめの一歩」として、二重ロックにしたり、窓やドアは必ず施錠するなど、簡単に「防犯対象の強化」はできます。

防犯ガラス

2.「接近の制御」

頑丈なフェンス、ゲートや出入管理システムによる錠前・ドア等により、「防犯対象物」への接近をはかる部外者を排除する。

「はじめの一歩」:敷地内に部外者が容易に侵入出来ないような境界となるフェンスや植え込みを設置しましょう。

大型門扉

3.「監視性の確保」

見通しの良いフェンス・監視カメラ・照明設備等の設置、警備員の配備などにより、「防犯対象物」を取り巻く建物・敷地内の監視性を高めて、犯罪企図者を早期に発見し、犯行を抑制する。

「はじめの一歩」:敷地内の整理整頓などにより、見透しをよくすることでも「監視性の確保」の一助となります。

防犯ドローン

4.「領域性の強化」

フェンス、看板、地域社会と連携した美化運動・情報交換などにより、敷地、周辺地域での「縄張り」を明確にして、領域性を強化。
それにより犯罪企図者の下見目的の接近・滞留を防止する。

「はじめの一歩」:ご近所と連携して、見知らぬ部外者への「声掛け運動」なども「縄張り」構築に有効です。

部外者排除

 防犯環境設計の実施例 

おわりに、防犯環境設計の日本における構築例として「付属池田小学校立替校舎」を紹介します。

ご覧の通り、「防犯対象物」である大事な児童の生命・身体を守るべく「四つの基本原則」に沿って、「防犯環境」が構築されています。

平面図を見るだけでも、校舎建物の「囲み型配置」、3mのネットフェンス、非常出口などにより「防犯対象物の強化・回避」「接近の制御」や、玄関ホール・廊下の「大人の目の確保」、非常ボタン、監視カメラ、ガードマン配置などにより「監視性の確保」を確実に構築しています。

防犯環境設計

日経アーキテクト「防犯セキュリティガイド」より引用

以上、【「防犯環境設計」防犯対策の世界基準を簡明に解説!】についてお伝えしました。
「防犯環境設計」を活用して、あなたに最適な「防犯環境」を構築し、「安全・安心・快適な生活」をお過ごしください!

●ご質問、ご相談、プランニング・見積依頼などありましたらご遠慮なく下記バナーをクリックしてご連絡ください。

お問い合わせはこちら!

●より詳しく「防犯環境設計」を知りたい方には「セキュリティマニュアル」をプレゼント

効果的な防犯設備・安全設備による効率的な施設運営を簡明に解説した「福祉・医療施設等のセキュリティマニュアルPDF版」。
「防犯環境設計」の手法は、一般の企業や住宅のセキュリティ構築にも、大変効果的です。
必要事項をご入力してダウンロードしてください。

セキュリティマニュアル

まとめ
【「防犯環境設計」防犯対策の世界基準を簡明に解説!】

*「防犯環境設計」とは:私たちの身のまわりに、犯罪被害を防止するための物理的環境や社会的関係を構築する世界基準の防犯対策。イラストや図解で分かりやすく解説。*防犯環境設計「四つの基本原則」とは:「防犯対象物の強化」「接近の制御」「監視性の確保」「領域性の強化」について解説。*「防犯環境設計」日本の実施例:「付属池田小学校立替校舎」を紹介。

長くなりましたので本日はここまでとします。
最後までお読みいただきありがとうございます。

次回も心を込めてまして、あなたとご家族に最適なセキュリティノウハウを発信してゆきますのでよろしくお願いします。

「防犯対策研究所」
アルファセキュリティ株式会社
総合防犯設備士・セキュリティコンサルタント
代表取締役 新井富美男

アルファセキュリティ対応エリア:関東・群馬・前橋・高崎・伊勢崎・東京・埼玉・栃木を中心に、日本全国は総合防犯士会等のネットワークで対応

タグ:, , , , , , , , , , , , , , , , , ,