三鷹女子高生ストーカー殺人事件、つきまとい対策とは
ようこそ、「防犯対策.com」へ!
防犯アドバイザーの新井富美男です。
心を込めまして一人暮らしの女性に最適な
簡単にできる防犯対策をお話します。
今回は「三鷹女子高生ストーカー殺人事件」
についてお話します。
まずは亡くなられた鈴木さんのご冥福を
心よりお祈りいたします。合掌。
私も同年代の子供を持つ父親です。
彼女の長期間にわたる苦痛と悲惨な最期
残されたご家族の心情は察し切れません。
当ブログ「防犯対策.com」でも「ストーカー対策」
について内容を分析し、その危険性から何度も
警鐘を鳴らしてきました。
そして「ストーカー規制法改正」についも
わかりやすく解説をしました。
その矢先での今回の事件を非常に残念に
悔しく思います。
なぜこのような悲惨なストーカー殺人事件が
再度起きてしまったのか?
個人的には悲惨すぎて掘り返したくない事件です。
しかし彼女の死を無駄にせず
社会への更なる警鐘として生かしたい。
一個人の立場を離れ防犯アドバイザーとして
プロの視点からこのストーカー殺人事件を
事件経過を追いながら対応上の問題点を
明らかにしたいと思います。
今後、あなたやご家族、知人がこのような
ストーカー犯罪に巻き込まれないための
事前の防犯対策としてお役立てください。
「三鷹女子高生ストーカー殺人事件」経過
2011年
10月 被害者と容疑者、フェイスブックで知りあう。交際を始める。
2012年
9月 被害者が交際を中止。
2013年
3月 加害者がメールなどでストーカー化し
「つきまとい行為」をはじめる。
9月27日 ストーカーが夜行バスで上京。
9月28日 ストーカーが刃物を購入。
10月1日~4日 ストーカーが被害者の通学路に出没。
10月4日 被害者が担任にストーカー行為を相談、
学校のある杉並署に電話。
居住地の三鷹署への届出を勧められる。
10月7日 学校側が三鷹署への相談を被害者家族に
再度勧める。
10月8日
3時ころ ストーカーが被害者宅の隣家屋根上に潜伏、
犯行の機会を窺う。
9時ごろ 家族で三鷹署へ相談。
ストーカーの携帯へ警告の電話、無応答。
12時ころ ストーカーが無施錠の窓より被害者宅へ侵入、
クロゼットに潜伏。
17時ころ 被害者帰宅。
ストーカーが被害者の首を刺す。
救急車で病院へ搬送。
18時ころ ストーカーを警察が逮捕。
19時ころ 被害者、懸命の治療もかなわず死亡。
以上が事件経過の概要です。
対応上の問題点は?
1.フェイスブックなどSNSへの安易な登録、情報公開
ストーカーはFBで学歴など詐称し被害者に接近しました。
リアルでないバーチャルでの情報は経歴偽装も多く
また個人情報の拡散も管理不能です。
またリベンジポルノなど卑劣な事件もあります。
一人暮らしの女性の方は特別な注意を払い
必ずリアルな裏づけ取って安易な登録や個人情報
の公開は絶対にやめて下さい。
広島LINE殺人事件も大変悲惨な事件でした。
このソーシャルの問題は人類史上前例がなく
防犯対策上大変重要な課題ですので「防犯対策.COM」
でも機会を改めてしっかりと取り上げます。
2.交際解消後の加害者への対応
2012年9月の交際解消後にストーカーは逆上
長期にわたるメールなどで脅迫が始まりました。
その間に無視されたストーカーはますます被害者
への憎悪をつのらせました。
この時点でメールを証拠に家族と共に警察への
真剣な相談が必要があったと思います。
しかるべき第三者を仲介してストーカーに接触し
ストーカー行為を防ぐ手段もあります。
ストーカーを逆上させる危険があるので直接の
交渉は避けてください。
一年以上のストーカー行為を放置したのは
悔やみきれない失敗です。
警視庁データによれば警察の警告により
90%のストーカーが行為を中止しています。
3.警察の対応と相談時期
ついにストーカーが上京し被害者の前に出現。
あせった被害者もようやく学校に相談のうえ
杉並署に連絡。
自宅のある三鷹署への相談を伝えられます。
しかし警察署間の連絡も家族での三鷹署への
相談もないままリベンジポルノなどで事態は悪化。
学校からの再度の相談の勧めにより
10月8日にようやく家族で三鷹署へ相談。
その日の17時ころ被害者は刺殺されてしまいました。
問題の一点は改正ストーカー規制法の警察間の
連絡が生かされなかったこと。
次に脅迫行為の証拠があり事件性が明白でした。
ストーカー規制法よりも実効性の高い
脅迫罪、名誉毀損罪などで逮捕のため
警官を自宅に配備しなかったこと。
少なくとも自宅への警官の巡回はすべきでした。
また家庭的事情は分かりませんが
なぜ家族での警察への相談がここまで
遅れてしまったのでしょうか?
そして最終的には隣家屋根上より監視していた
ストーカーに無施錠の窓より侵入されたこと。
逆上したストーカーは理性をなくし非常に危険です。
命を守るため家族で最優先の防犯対策が必要でした。
以上の通り防犯アドバイザーとして客観的に見て
回避のポイントはありました。
本当に残念でたまらない事件でした。
「言うは易く行うは難し」です。
このストーカー殺人事件の経過、関係者にとっては
他人には計り知れない事情があったのかもしれません。
だからこそ、日ごろ防犯対策意識を持って生活し
ストーカーの獲物とならないのが最重要です。
長くなりましたので、本日はここまでとします。
ご不明点、ご相談などありましたらお気軽に
メールを下さい。
最後までお読みいただきありがとうございます。
アルファセキュリティ株式会社
代表取締役 新井富美男