被災地の住宅・店舗・留守宅を狙う空き巣への防犯対策!
ようこそ「防犯対策研究所」へ!
群馬でただ一人の「総合防犯設備士」
アルファセキュリティの新井富美男です。
本年10月12日より東日本を中心に襲った台風19号は、死者80人・負傷者396人という甚大な被害をもたらし「特定非常災害」に指定されました。
住宅被害は5万6000棟以上に上り、今なお、避難者4361人が避難所などに身を寄せています。(19日現在・読売新聞集計より)
亡くなられた方々に謹んで哀悼の誠を捧げるとともに、被災された方々に対しまして心よりお見舞い申し上げます。
私の地元・前橋市でも甚大な被害こそありませんでしたが、一時「避難勧告」などが発令されました。
また、栃木県佐野市在住の叔父の家屋は秋山川の氾濫で一階床上まで浸水被害を受けました。
決壊直後は連絡も取れず、母たちと大変心配したのですが、家族と一緒に怪我もなく一時的に避難所に避難していたとのことで一安心しました。
私も幼少期に遊んだあの秋山川の清流が母の故郷・佐野市の平穏な市民生活を一瞬にして変貌させたことに大変衝撃を受けています。
被災地では自衛隊・警察・自治体など公共機関等をはじめ、住人・自治会・ボランティア・電力会社など民間の方々が懸命の復旧活動を継続しています。
その一方で、非常に残念なことに、住人・店主などが避難所などに避難されて無人となった住宅・店舗を計画的に狙う組織的な侵入窃盗「空き巣」も発生しています。
そこで今回は、平穏な日常生活再開に向けて懸命に努力される被災された方々の貴重な資産を狙う「火事場泥棒」とも言える卑劣な空き巣への防犯対策をお伝えします。
私の総合防犯設備士・防災士・建築技師などの知見をベースに、「被災した住宅・店舗・留守宅の防犯対策」という難しいテーマを極力わかりやすく解説させていただきます。
被災地の住宅・店舗・留守宅の空き巣リスクとは
被災地での発生した空き巣のデータ
◆茨城県水戸市では被災直後の14日時点でも、被害届として警察に認知された被災住宅・店舗への「空き巣」が5件発生しています。
◆2015年の鬼怒川氾濫災害では茨木県内で40件以上の被災住宅・店舗を狙った空き巣被害が認知されています。
◆東日本大震災による福島原発事故で原則立入禁止!「警戒区域」である双葉警察署・南相馬警察署の管内で2016年までに約1,600件以上の空き巣被害が認知されています。
将来的にも日本全国どこでも「地球温暖化による自然災害」「首都圏直下型地震」などのリスク増大傾向からは逃れらません。
そして災害発生時には、被災地を狙う卑劣な侵入窃盗集団も残念ながら実在します。
「自分だけは大丈夫!」という「正常性バイアス」は非常に危険な思い込みと言えます。
被災地で住宅・店舗・留守宅を狙う空き巣が増加する理由
◆甚大な人的・インフラ被害により警察など公共機関の「治安維持能力」が低下
◆住宅・店舗のドア・窓・外壁の破損などによる施錠不能状態
◆住人・店主の緊急避難による長期空き家状態
まさに「火事場泥棒」的な侵入窃盗であり、防犯理論の「犯罪機会論」で解説すると、犯罪企図者から見て「住人の被災・避難」=「防犯レベルの低下」というチャンス(機会)に付け込む「機会犯罪」なのです。
「犯罪機械論」とは、特に反社会的な性向を持たない一般人でもチャンスがあれば「魔が差して」犯罪に手を染めてしまうという理論です。
振込詐欺などの取締りが厳しくなり、「半グレ」など不良集団が被災地の空き巣に組織的に進出する懸念も指摘されています。
今回のインフラ被害が甚大なことから、被災された方々の避難所生活が長引き、被災地の住宅・店舗を狙う空き巣などの増加リスクがあると思います。
様々なインフラが損傷したり、避難所での生活など非常にご不自由な環境下ではありましょうが、私も被災した叔父家族にも伝える思いで、ご自分でもきる効果的な防犯対策をお伝えします。
被災地を空き巣から守る世界基準「防犯環境設計」とは
前述の通り、被災地は一時的に「治安維持能力」が非常に悪化するので、防犯対策の世界基準「犯罪機会論」「防犯環境設計」をベースに防犯対策する必要があります。
理論的で難しいと感じる方もいるとは思いますが、「ご自分でできる効果的な具体的防犯対策」もお伝えするので、最後までお読みいただければ、必ず住宅・店舗を空き巣から守る一助となると思います。
防犯環境設計では「四つの基本原則」に沿って、私たち身のまわりに効果的な「防犯環境」=「防犯意識+防犯設備等」を構築して行きます。
効果的で具体的な防犯対策の項目は事項で説明します。
その構築については「防災」の基本理念である「三助」の支援も受けながら、無理せずに進めていきましょう。
◆「自助 」:「自分の身は自分で守る」を原則にご自分やご家族でできることから始めます。
ただし、二次災害などに十分注意し、必ず「安全第一!」で着手してください。
◆「共助 」:手に負えない作業・危険な作業等には専門業者・町内会・自治会・ボランティアなどの協力をもらいます。
◆「公助」:「警察の防犯パトロール」「立入禁止措置」「インフラの早期復旧」など民間レベルでは手に負えないことは公共機関に依頼します。
「防犯環境設計」について詳しくはこちらをご覧ください。
【「防犯環境設計」防犯対策の世界基準を簡明に解説!】
自分でできる「四つの基本原則」に沿った防犯対策
被災地では公共機関の機能不全、電力・水道などインフラの損傷、住宅・店舗など建物自体の物理的損壊など非常に厳しい防犯環境にあります。
そのような「治安維持能力」が極端に低下した中でも、建物・インフラ等の損壊レベルに合わせて、極力ご自分たちで構築可能な効果的防犯対策をお伝えします。
「空き巣への防犯対策の核心」を簡単に言うと、ご自分の空き巣被害リスクを評価し「防犯意識」を高め「防犯設備等」を設置して、空き巣が敬遠する「入りずらくて逃げにくい家」にすることです。
「防犯環境設計」の「四つの基本原則」のイメージは下の図をご覧ください。
1.「防犯対象の強化・回避」
簡単に言うと、住宅・店舗内の「防犯対象物」=「人身・設備・金銭・商品など」を、空き巣などから守るべく、窓・ドアなどの入口を錠前・防犯ガラス・防犯面格子等で物理的に強化したり、銀行の貸金庫などで保管すること。
◆「必ず施錠」:空き巣被害の46%がなんと無施錠の窓・ドアから!
◆後付けの錠前で二重・三重ロックにする。
◆外壁・窓・ドアなど破損の場合:応急的に「コンパネ」(耐水性のある頑丈な合板・ホームセンターで入手可)で補強・閉鎖。
◆避難時には貴重品は銀行の貸金庫に預けたり避難所などに持ち出す。
◆窓ガラスに飛散防止フィルム。
◆シャッターや雨戸があれば閉める。
2.「接近の制御」
敷地内のフェンス、ゲートなどで空き巣の「防犯対象物」への接近を防ぐことです。
◆ゲートがあれば必ず施錠。
◆フェンス・ゲートの一部破損があれば「コンパネ」で補強・閉鎖。
◆余裕があれば敷地内・住宅・店舗内は「公助」もいただいて整理整頓して見通しよくしておくと空き巣への「心理的なバリア」となります。
3.「監視性の確保」
自治会の防犯パトロールや監視カメラ・センサーライトなどで住宅・店舗周辺の監視性を高めて、空き巣の犯行を抑制します。
電力や通信インフラが損傷した被災地では一般的な監視カメラや警備会社の「ホームセキュリティ」が機能しないので要注意!
◆電力・通信機能が生きていれば留守宅に監視カメラ・人感センサー・アラームなどを設置して避難所でモニターする。
スマホで外出先から留守宅をモニターできるネットワークカメラなどがおすすめです。
具体例を知りたい方はこちら➡【防犯サービス・監視カメラなど】
◆電力・通信機能が損傷している場合はバッテリ式の監視カメラ・人感センサー・アラームなどもあります。
一時的であれば、上手に偽装してダミーカメラでも多少の効果があると思います。
◆共助・公助の支援で被災地内の防犯パトロールを強化。
◆共助・公助の支援で被災地内に監視カメラを設置し地域全体の監視性を向上する。
私の所属する「群馬県防犯設備協会」や「全国の防犯設備協会」では被災地公共機関の要請で街頭監視カメラを無償レンタル設置したケースもあります。
4.「領域性の強化」
被災地にある住宅・店舗の敷地・周辺地域の「縄張り」を明確にして、空き巣など犯罪企図者の接近・滞留を心理的に抑止することです。
◆共助・公助の支援で被災地の瓦礫・汚泥などをできる範囲で取り除き整然を保つ。
感染症の防止とともに、「割れ窓理論」で実証された通り美観保持は犯罪抑止に有効です。
「割れ窓理論」についてはこちらの記事をご参照ください。
【「割れ窓理論」地域の治安回復の切り札!】
◆「防犯カメラ作動中」「防犯パトロール実施中」など警告看板を設置。
◆自治体・警察等発表の「治安・不審者情報」などの被災地域での共有・注意。
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万が一の被災リスクを考慮して、住宅・店舗・留守宅を狙う空き巣「火事場泥棒」から貴重な資産を守るためには日ごろの防犯対策が重要です。
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まとめ
【被災地の住宅・店舗・留守宅を狙う空き巣への防犯対策!】
◆被災地の住宅・店舗・留守宅の空き巣リスクとは:
台風19号河川氾濫の被災地、2015年鬼怒川氾濫の被災地、東日本大震災の被災地などでは「治安維持能力」が非常に低下し、「火事場泥棒」的な住宅・店舗・留守宅を狙う空き巣被害が頻発。
◆被災地を空き巣から守る世界基準「防犯環境設計」:
「治安維持能力」の低下した被災地域のの防犯対策は世界基準「防犯環境設計」の手法で構築することが必要。
◆自分でできる「四つの基本原則」に沿った防犯対策:
「自助」を中心に「共助」「公助」の支援を受けて「四つの基本原則」に沿った効果的な防犯対策を解説。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
次回も心を込めてまして、あなたとご家族に最適な防犯対策・セキュリティノウハウを発信してゆきますのでよろしくお願いします。
「防犯対策研究所」
アルファセキュリティ株式会社
代表取締役 新井富美男
アルファセキュリティ対応エリア:関東・群馬・前橋・高崎・伊勢崎・東京・埼玉・栃木を中心に、日本全国は総合防犯士会のネットワークで対応