寺院の効果的防犯設備の設置事例：強盗・窃盗被害を抑止！

防犯対策研究所へようこそ！
セキュリティ・エキスパート「総合防犯設備士」の新井富美男です。

まずは、最新の犯罪発生データーを見てみましょう。
警察庁「令和5年の刑法犯に関する統計資料」によると空き巣などの「侵入窃盗」の認知件数は前年比21％増の44,228件、同じく「強盗」は前年比19％増の1,361件と激増しています。
そして「窃盗被害総額」は前年比21％増の725億円にも上ります！

そこで今回は、頻発する窃盗・強盗事件のターゲットとなっている寺院の効果的な防犯設備の設置事例を紹介します。
施設の特性上、防犯対策の難しい「寺院の防犯設備」の設置事例ですので、多種多様な施設や企業の管理者の皆様にとっても防犯対策の参考となると思います。

1. 寺院からの防犯設備のご相談！

昨年末、群馬県内にある室町時代創建！600年近い歴史がある古刹の住職より防犯設備のご相談があり、現地調査の上で効果的な防犯設備を設置させていただきました。

まず初めに、現地で住職に現況を伺うと、10日ほど前の深夜、本堂付近の窓ガラスが割られ屋内に侵入される被害にあわれていました。
不幸中の幸いで本堂内部のホームセキュリティが発報、犯人は逃走し窃盗は未遂に終わったそうです。

住職のご心配は、寺院や神社など宗教施設を専門的に狙う組織的な連続強盗事件・窃盗事件などのニュースにも触れ、金品被害にとどまらず強盗による家人の生命身体にかかわるような被害へのエスカレートでした。

そのため、歴史的価値のある広大な境内と寺院を監視できる防犯カメラシステムとセンサーライトを設置することで、強盗・窃盗などの犯罪被害を下見段階から抑止したいというご要望でした。

2. 寺院の僧侶・寺族の生命身体・資産を犯罪から守る防犯設備の重要性

寺院関連の強盗・窃盗などの犯罪被害状況を見てみると、令和4年には北関東地方４県のお寺を狙った100件以上・被害総額２億円以上の「寺院連続窃盗事件」が発生しています。

神社仏閣は地域社会の精神的支柱の意義や歴史的な文化資産の保有などもあり、不特定多数の参拝者・見学者などのアクセスのしやすい公共的な施設であることがとなっています。

強盗・窃盗などの犯罪企図者はそのオープンな環境を悪用し、白昼堂々と入念な下見を行い、文化的な価値のある仏像やお布施など金品の保管場所などに狙いを定め、夜間などに犯行に及びます。

以上の住職のご要望と寺院の防犯環境の特殊性を踏まえ、現地調査の上で、効果的な防犯設備プランをご提示し、以下のような防犯設備を設置させていただきました。

3.寺院の効果的な防犯設備の設置事例

今回も、「セキュリティの世界基準」である「防犯環境設計」の「3つの防犯性の強化」を指針として「防犯設備プラン」を構築しています！

「寺院連続窃盗事件」と「防犯環境設計」のケーススタディはこちら！
【「群馬・北関東の寺院連続窃盗」その手口と効果的な防犯対策】

1.「領域性の強化」の防犯設備事例

領域性とは、境内外周が寺院の「縄張り」であることを明示すること！
犯罪企図者の不用意な侵入を防ぎます。

防犯設備としては、境内へのエントランスである駐車場や総門の付近に電柱を建て、防犯灯・スタンドアロン型防犯カメラを設置しました。

♦防犯灯：パナソニック
深夜は全くの暗闇となる広大な境内への防犯灯の設置は、不法侵入者の威嚇に絶大な効果を発揮しています。

♦スタンドアロン防犯カメラ：東進電気「TSD-RUSD206T」
広大な境内のため一般的な防犯カメラのように、映像をレコーダーのある建物まで有線で配線することが困難です。
そこでカメラ単体で機能する録画機能付きのスタンドアロン防犯カメラを選択。
カメラから離れていてもWi-Fiを利用してスマホでライブ監視や録画データ確認ができます。

また、住職は外構業者に依頼して裏山から境内への侵入を防ぐための防犯フェンスを設置されました。

2.「監視性の強化」の防犯設備事例

監視性とは、境内・本堂・庫裏・僧坊など敷地内全体の見守りです。
犯罪企図者を早期に発見し犯罪を抑止します。

防犯設備としては、境内の電柱や本堂の壁面などにセンサーライト・ワイヤレスカメラシステムを設置しました。

♦センサーライト：マスプロ電工「MSL4」
高輝度白色LED・3000lm！の明るさで、センサーが検知した対象を照射します。

♦モニターレコーダー+ワイヤレスカメラセット：マスプロ電工「ＴＳＰ－ＷＣＳ２３０１Ｐ」
日常生活の拠点となる庫裏には、録画機能付きモニターとセットになった無線式の防犯カメラシステムを設置しました。

3.「抵抗性の強化」の防犯設備事例

抵抗性とは、本堂・庫裏など建物本体への侵入を物理的なバリアで防ぐことです。
犯罪企図者による人身・財産への侵害を阻止します。

防犯設備としては、侵入口となる玄関・窓への補助錠・防犯面格子・防犯ガラスの設置が必要となります。

♦防犯面格子：ＡＧＣ「防犯ガラス」

4.住職の期待される防犯設備による効果

今回の防犯設備の設置により以下の効果が期待されます。

・犯罪の抑止: 下見する犯罪企図者への「目に見える防犯対策」となり、犯罪被害リスクを低減できます。
・迷惑行為の抑止：第三者による深夜の駐車場の無断利用など迷惑行為を防止できます。
・文化財の保護：失火や放火などから貴重な歴史的資産を守ります。
・安全安心の向上: 防犯灯・センサーライトにより広大な境内の暗闇を解消し、僧侶の職務や参拝者の歩行の安全安心を向上します。
・事件解決の支援: 万が一の事件が発生した際には、カメラ映像が事件解決や犯人特定に役立つことが期待できます。

以上、【寺院の効果的防犯設備の設置事例：強盗・窃盗被害を抑止！】についてお伝えしました。
強盗や窃盗に狙われないため、「目に見える防犯対策」と「手元に多額の現金を置かない」ことを基本に、どうぞご安全にお過ごしください。

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まとめ
【寺院の効果的防犯設備の設置事例：強盗・窃盗被害を抑止！】

＊最新の強盗・窃盗事件データ：「侵入窃盗」前年比21％増の44,228件、「強盗」前年比19％増の1,361件、「窃盗被害総額」前年比21％増の725億円＊寺院の効果的な防犯設備の設置事例：「防犯環境設計」による「３つの防犯性強化」その設置事例を写真で紹介！

長くなりましたので本日はここまでとします。
最後までお読みいただきありがとうございます。

次回も心を込めてまして、皆様にお勧めの防犯対策・セキュリティノウハウを発信してゆきますのでよろしくお願いします。

「防犯対策研究所」
アルファセキュリティ株式会社
代表取締役　新井富美男

アルファセキュリティ対応エリア：関東・群馬・前橋・高崎・伊勢崎・東京・埼玉・栃木を中心に、日本全国は総合防犯士会のネットワークで対応