強盗から身を守る世界基準の防犯対策３ステップ

ようこそ「防犯対策研究所」へ！
群馬で実働ただ一人の「総合防犯設備士」
セキュリティエキスパートの新井富美男です。

※ 「狛江市強盗殺人事件」「全国連続強盗事件」発生による緊急リライト！
2017年9月4日に公開した元記事を、本年の1月19日に発生した狛江市強盗殺人事件等の連続強盗事件発生を踏まえて、2023年2月22日に最新の効果的な防犯対策等を加筆・修正しました。

狛江市強盗殺人事件・全国連続強盗事件の犯行手口とは

昨年の10月以来、関東を中心に日本全国で30件以上連続発生した強盗事件の「実行犯」と首謀者である「指示役」の容疑者が逮捕されました。

今回の強盗団の計略は、フィリピン在住の連続強盗事件の首謀者である「指示役」が、足がつかないようSNS等で「連絡役」「実行役」「運転手」「見張り役」など日本国内での強盗実行メンバーを「闇バイト」で募集し、闇サイト等で取得した「資産家名簿」などをもとにターゲットに狙いを定め、入念な下見等を重ねて犯行に着手するものです。

また、その犯行手口は、資産家の財産を根こそぎ強奪するため、緊縛した強盗被害者の生命身体への加害をいとわず、傷害や殺人にまでエスカレートする大変凶悪なものと言えます。

この組織的犯行は、2020年ころ多発した「アポ電強盗」「特殊詐欺」等の手口からエスカレートしたものであり、末端の実行犯を逮捕しても首謀者である指示役の特定が困難で、連続強盗団の黒幕である犯罪組織を根本から壊滅することが難しい非常に巧妙な犯行です。

今回の首謀者である「指示役」逮捕後も日本国内で強盗事件が多発しており、今後も模倣犯の発生が懸念されています。現況では、ご自分、ご家族の「強盗被害リスクのレベル」を評価し、「自分の身は自分で守る」ことが重要です。
そこで今回は「強盗から身を守る世界基準の防犯対策３ステップ」をお伝えします。

★関連記事【緊縛強盗！「実録・狙われた資産家」】

ステップ１．「強盗への防犯対策」：強盗とは？

★「強盗」とは

警察庁犯罪分類上は殺人、放火などと並び「凶悪犯」に属します。
刑法では「暴行や脅迫などを行使し、相手の反抗を抑止し、財物を奪い取ること」とされています。

人目を避ける空き巣などの「窃盗犯」と異なり、ターゲットの被害者本人への積極的・直接的・物理的な接触があり、被害者の心身への重大なリスクがあります！

・「侵入強盗」は以下の４種類です
「金融機関強盗」：いわゆる銀行強盗など
「押入り強盗」：深夜など被害者の就寝中に強盗
「上がり込み強盗」：被害者の起床中に強盗
「居直り強盗」：空き巣・忍び込み等「侵入窃盗」目的の犯行が発覚し強盗に変貌

・「路上強盗」：路上等で通行人から強盗

今回は、狛江市強盗殺人事件・連続強盗事件の犯行手口である一般住宅への「押入り強盗」「上がり込み強盗」への防犯対策を詳しくお伝えします。

ステップ２.「強盗への防犯対策」：防犯理論の基本を理解

★今回発生した狛江市強盗殺人事件・連続強盗事件や関連記事の「緊縛強盗事件」の様に、プロの強盗組織は闇サイトなども利用し、常に資産家などの個人情報収集を綿密に行っています。

そして一度ターゲットに狙いを定めると緻密な強盗プランを立案し、首謀者である強盗組織側の幹部が逮捕されないようなピラミッド型の犯行指示系統で、逮捕されても切り捨てられる末端の実行役に「テレグラム」などを連絡手段として悪用し、綿密な下見から強盗の実行までをリモートでコントロールします。

プロの強盗組織に狙われると、空き巣など侵入窃盗レベル向けの単発・単体のセキュリティシステム・防犯カメラだけでは強盗を防げないのです！

★あなたの守るべき財産・資源への強盗被害リスクを「強盗視線」で冷徹に査定し、現状の防犯設備・防犯意識レベルを評価し、不足であればレベルアップの検討に入る必要があります。

これが「セキュリティ・マネジメント」です。
企業経営者の方には「企業危機管理」「ＢＰＣ」と同じ手法ですのでわかりやすいと思います。

★そして、世界基準である「犯罪機会論」に基づき、「防犯環境設計」などの手法実践により、強盗など凶悪犯罪発生のリスク・構図を理解し、理論的に総合的な防犯対策構築が可能です。

まさに「良い理論ほど実践的なものはない！」です。

・「セキュリティ・マネジメント」詳しくはこちら
【セキュリティとは:あなたを守る新基準！】

・「企業危機管理」詳しくはこちら
【企業の危機管理！あなたの会社を守るには？】

・「犯罪機会論」詳しくはこちら
【 犯罪機会論：「不審者に気をつけて！」だけでは犯罪被害を防げない！！】

・「防犯環境設計」詳しくはこちら
【学校の防犯！世界基準の「防犯環境設計」四原則とは？】

ステップ３.「強盗への防犯対策」：世界基準の防犯対策の構築

以上の2ステップを踏まえたうえで、強盗・凶悪犯向けの世界基準の防犯対策をハード面・ソフト面に分けて構築します。

強盗へのハード面+ソフト面の防犯対策を構築することにより、凶悪犯・テロリスへの「緊急避難手法」である「RUN. HIDE. FIGHT. 」＝「逃げる・隠れる・戦う」の実践が容易になります。

強盗に遭遇したら、まずは「その場から逃げる」→逃げられない時は「シェルターなどに隠れる」→ご自分とご家族の命を守る最後の手段として「強盗の犯行を封じる」ことも必要となります。

★ハード：物理的な防犯設備

●「防犯環境設計」に基づき「基本警戒線」によるゾーニングで強盗・凶悪犯レベルの総合的な防犯対策を構築。
ここでは実例として分かりやすく一戸建て住宅をモデルに解説します。

●まずは「基本警戒線」は敷地外周部「第一警戒線」から金庫など最重要資産「第四警戒線」で構成されています。

●次に警戒線ゾーンごとに強盗・凶悪犯レベルの防犯対策・防犯設備を設置します。

1.「第一警戒線」フェンス・敷地
・外部から見通しの良い簡単に乗越えられない頑丈なフェンス
・敷地への侵入者を感知する赤外線センサー・アラーム
・敷地への侵入者を監視・威嚇する防犯カメラ
・カメラ付きインターフォン
宅配業者を偽装する強盗をチェックできます

2.「第二警戒線」建物外壁・窓・ドア
・できるだけ「防犯性の高い防犯建築部品（CP認定品）」を設置
・玄関、勝手口ドアを二重ロック以上にする
・玄関ドアに頑丈なドアガード、ドアチェーン
見知らぬ来訪者にはドアガード越しに対応しましょう
・窓ガラスを高レベルの防犯ガラスにする
ガラス破りの強盗団に有効です
・窓に高強度の防犯面格子・補助錠を設置
・窓に防犯シャッターを設置する

3.「第三警戒線」建物内部
・ホームセキュリティシステム
・赤外線センサー・アラーム
・非常通報ボタン
・警察への１１０番通報用スマホ
・防犯カメラ

4.「第四警戒線」最重要な人命・財産・設備など
・「パニックルーム」「シェルター」を設置
強盗に室内に侵入された際に逃げ込む「最後の砦」です！
・移動不能・防犯性の高い金庫
・高強度のスチール製室内ドア
・防犯性の高い錠前
・生体認証出入管理システム
・非常通報ボタン・警察など通報用電話
・ホームセキュリティシステムのコントローラー
・防犯カメラのレコーダー・モニター

・「パニックルーム」関連記事はこちら
【一戸建て、空き巣も逃げる防犯対策とは？】

★ソフト：防犯意識と管理体制

●忘れてはいけない最重要課題「防犯意識」「防犯管理体制」！
「相模原障害者殺傷事件」でも「ハード面」の防犯カメラ、セキュリティシステム、ガードマンなど防犯設備が設置されていたにもかかわらず、「防犯意識」「防犯管理体制」が不備であったため「防犯設備」が機能せず、大変悲惨な結果となってしまいました。

「以心伝心」、気心の知れた家族同士であるからこそ、一朝有事の際、その生命・身体を強盗・凶悪犯の凶行から守る「防犯設備」を稼働すべく、「防犯意識」「防犯管理体制」の共有が必要です。

「セキュリティ」の一環として、予想される巨大地震など自然災害、火災などの「防災対策」にもセキュリティ意識+管理体制の見直しは大変有意義です。

●防犯意識の維持・向上
強盗企図者視線で家族構成・財産状況など個人情報の公開や流出に注意しましょう。
特に業界団体名簿・SNSでの個人情報公開は慎重に！
今回の狛江市強盗殺人・連続強盗事件でも「闇サイト」の「資産家名簿」が悪用されています。
「防犯意識」なくして「防犯対策なし」！

・「防犯意識」について詳しくはこちら
【 今こそ「防犯意識」をバージョンアップ！】

●防犯管理体制の概略
・日常の戸締り・ホームセキュリティなど防犯設備の運用管理者
・防犯設備の点検・故障など維持管理者
・パニックルームの非常食備蓄など管理者
・地域の犯罪発生情報の共有（警察・新聞報道など）
・強盗侵入時の非常時の通報、避難方法の共有
・万が一の負傷時ファーストエイド、救急病院の確認
・最寄りの交番・警察・緊急避難先の確認
・緊急避難訓練
・総合防犯設備士など防犯専門家による診断・アドバイス
・財産など個人情報の保守
安易に業界団体名簿やSNSに個人情報を公開しないことが重要です！

「強盗への防犯対策」まとめ

以上【強盗から身を守る世界基準の防犯対策３ステップ】についてお伝えしました。
難しいところもあったとは思いますが、強盗への防犯対策の一助となれば幸いです！

また、強盗など凶悪犯レベルの防犯対策はハード・ソフト両面からの総合的な対策が必要となり、実際にご自分でコストパフォーマンスの良いプランニングするのは困難な場合もあると思います。

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まとめ

【強盗から身を守る世界基準の防犯対策３ステップ】

＊狛江市強盗殺人・連続強盗事件の犯行手口
＊「強盗への防犯対策」ステップ１：強盗の実態・犯行手口を把握。
＊ステップ２：防犯理論の基本を理解。「良い理論ほど実践的なものはない！」
＊ステップ３：世界基準の防犯対策構築。具体的にハード（物理的な防犯設備）+ソフト（防犯意識・管理体制）を解説。

長くなりましたので本日はここまでとします。
最後までお読みいただきありがとうございます。

次回も心を込めまして、あなたとご家族などに最適な防犯対策・セキュリティ・ノウハウを発信してゆきますのでよろしくお願いします。

「防犯対策研究所」
アルファセキュリティ株式会社
総合防犯設備士
代表取締役　新井富美男

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