相模原殺傷事件で検証!福祉施設の防犯対策
ようこそ「アルファセキュリティ」へ!
群馬でただ一人の「総合防犯設備士」
セキュリティエキスパート新井富美男です。
昨日は前橋警察署のご依頼により群馬県社会
福祉法人経営者青年会主催の講演会「防犯対策
の基礎知識を学ぶ~侵入犯・窃盗犯への対応」
で講師をしてまいりました。
まずは「相模原障害者殺傷事件」で亡くなられた
方々のご冥福と負傷された方々の一日も早い
ご回復をお祈り申し上げます。
今回はこの講演をもとに「相模原障害者殺傷事件」
を検証し、福祉施設の効果的な「防犯対策」に
ついてケーススタディーします。
1.相模原障害者殺傷事件当日の概要
現場:神奈川県相模原市
障害者福祉施設「津久井やまゆり園」
日時:平成28年7月26日(火)午前2時〜
午前3時ごろ
当直施設スタッフ:施設職員8名、警備員1名
・午前2時ごろ容疑者が施設東側居住棟1階
窓ガラスをハンマーで打ち破って侵入
・当直女性施設職員が館内集音マイクからの
物音に気づきく
・廊下に出ると刃物を持った容疑者に遭遇
・2人の女性職員は結束バンドで拘束され、
マスターキーを奪われる
・容疑者は施設各居住棟の当直の男子職員3人
も拘束
・その後約50分間、容疑者はマスターキーを
使い、東西居住棟1.2階を自由に移動
・凶器の刃物で就寝中の重度障害の入所者を
狙い、首などを刺して19人を失血死、
27人を負傷させた
・容疑者から逃走した職員の警察への通報を
恐れて容疑者が施設から逃亡
・この時、はじめて入所者への殺傷が中断
・午前3時すぎ容疑者は津久井警察署に出頭、
逮捕された
2.相模原殺傷事件、福祉施設側の問題点
・2月の容疑者犯行声明後、警察署による
施設への防犯対策強化の申し入れ以降、容疑者の
所在など危険情報共有が不完全
・3月の神奈川県警への「110番通報システム」
登録が活用されなかった
・結果的に容疑者が逃走するまで50分間も殺傷
が繰り広げられた
・4月に外部の侵入者対策として設置した16台の
監視カメラの常時モニターなど運用の問題点
を警察から助言を受けるも改善されず
・人感センサー・警報も施設に一部設置されて
いたが設置場所が適切でなく発報しなかった
・そのため全施設の入居者・職員への非常警報・
避難指示が出せなかった
・警備員も仮眠中で犯行に気づかず対応できず
・施設に効果的な防犯マニュアル、防犯責任者、
避難訓練などリスクコントロール体制、防犯意識
が未成
窓ガラスが強化され、人感センサーの発報、
「110番通報システム」などが機能していれば
と本当に悔やまれます。
以上の問題点を踏まえて福祉施設に効果的な
防犯対策について解説します。
3.福祉施設に効果的な「防犯対策」とは
大原則:「福祉施設に無関係の者の進入を
シャットアウト!」
権限や必要性のない入館者・入室者を「防犯
対策」で制限し侵入・窃盗を防ぐ
★防犯対策の構成
「防犯対策」
=ソフト面「防犯意識」+ハード面「防犯設備」
防犯対策について詳しくはこちら!
【防犯とは?あなたを守る三大要素】
4.福祉施設の「防犯意識」
「防犯意識」
身の回りの「犯罪被害リスク」(殺傷・窃盗
などを被る危険性)を感知して、そのリスクを
事前に自己管理し、犯罪被害を避けるための
意識。
防犯対策の世界基準では「セキュリティ
アウェアネス」「リスクマネジメント」と
呼ばれる手法。
今回の殺傷事件のような施設を襲ったリカバリー
不能な犯罪被害リスクを管理する効果的な
「防犯対策」構築のためには、まず「防犯意識」
の向上が必須!
「110番通報システム」 、16台の監視カメラ、
人感センサー・警報装置、警備員も防犯意識が
希薄ならばいざというときに稼働せず、無意味。
5.防犯意識向上の手法
・実効性のある「防犯マニュアル」作成
~福井県福祉労働部障害者福祉課作成
「防犯マニュアル作成ガイドライン」が参考に
なります
・危機管理体制構築
・防犯責任者任命
・防犯研修、避難訓練
・警察、自治体、コミュニティとの危険情報の
共有
・警察、防犯設備協会、防犯コンサルタント等
の防犯監査、指導を受ける
・そのほか、厚生労働省「社会福祉施設等に
おける防犯に係る安全性の確保について」など
の通知を具現化して行く
福祉施設に最適な防犯意識レベルを設定出来たら
次に「防犯設備」の構築に着手します。
6.防犯設備構築の基本
「犯罪者の嫌う防犯対策の4大鉄則」
1.「音」:犯行の発覚を恐れるので防犯ブザー
などで威嚇、通報
2.「光」:犯行の発覚を恐れるのでセンサー
ライトで感知、発見
3.「時間」:防犯ガラスなどで5分以上侵入に
手間取れば70%が犯行を諦める
4.「人の目」:防犯カメラで侵入者を威嚇、
監視
詳しくはこちら!
【泥棒が「好きな家」「嫌いな家」とは?】
7.防犯設備構築の具体的手法
「防犯環境設計」によるアプローチ
厚生労働省通知もこれに準拠、地域に犯罪予防
に適した物理的環境・社会的関係を作り犯罪を
防ぐ手法
1.「領域性の確保」
施設周辺の環境・コミュニティを改善し、犯罪
者など部外者が滞留しにくい「縄張り」作り
具体的には「防犯パトロール」「声掛け運動」
「清掃活動」など
2.「接近の制御」
境界を作り、部外者の敷地・館内・居室内への
侵入を防ぐ
具体的には「フェンス」「オートロック」
「テンキーロック」「出入管理システム」など
3.「監視性の確保」
施設全体の見通し確保し監視が行き届くように
する
具体的には「防犯カメラ」「警報装置」「非常
ボタン」「徘徊感知器」「センサーライト」
4.「対象物の強化」
施設・リソースを物理的に強化して侵入を防ぐ
具体的には「防犯ガラス」「防犯面格子」
「二重ロック」「セイフティボックス」「防犯
建築部品」「パニックルーム」など
8.総合防犯設備士による「福祉施設
防犯対策ガイドライン
全国の総合防犯設備士の集う「総合防犯士会」
では現在、来年1月公開に向け効果的な「障害
者施設の防犯対策ガイドライン」を作成中です
完成しましたらご一報申し上げます。
また政府の「平成28年度厚生労働省補正予算」
が成立、障害福祉施設への防犯対策に費用補助が
行われます。
★ご質問等ありましたら、ご遠慮なく
下記までご連絡ください。
*相模原障害者殺傷事件当日の概要
*相模原殺傷事件、福祉施設側の問題点
*福祉施設に効果的な「防犯対策」とは
防犯対策=防犯意識+防犯設備
*福祉施設の「防犯意識」
*福祉施設の「防犯設備」
まとめ
【相模原殺傷事件で検証!福祉施設の防犯対策】
*相模原障害者殺傷事件当日の概要
*相模原殺傷事件、福祉施設側の問題点
*福祉施設に効果的な「防犯対策」とは
防犯対策=防犯意識+防犯設備
*福祉施設の「防犯意識」
*福祉施設の「防犯設備」
長くなりましたので本日はここまでとします。
少しでも社会福祉施設の皆様の「防犯対策」
向上のお役に立てば幸いです。
次回も心を込めてまして、最適な防犯対策
ノウハウを発信してゆきますのでよろしく
お願いします。
「防犯対策.com」
アルファセキュリティ株式会社
代表取締役 新井富美男
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