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千葉県社会福祉協議会様主催「社会福祉施設等の防犯対策」講演抜粋

2023年11月9日 カテゴリー: セキュリティ全般・安全対策 , 企業・組織のセキュリティ , 福祉・医療施設 , 事件・ケーススタディ , 総合防犯設備士・セキュリティコンサルタント

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先日、千葉県社会福祉協議会様のご依頼をいただき、「社会福祉施等の防犯対策」についてのオンラインセミナーで講師をさせていただきました。

私にとっては対面形式講演ではないズームを利用したウェビナーでの講演は初めてですが、特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・障碍者支援施設・保育所・医療施設など多種多様な福祉医療施設の管理者様のご参加の中、緊張しつつも2時間にわたる有意義な講師体験でした(汗)

そこで、今回はセキュリティ向上の重要性についてご理解の深い千葉県社会福祉協議会様のご了解をいただき、「社会福祉施設等の防犯対策講義」のエッセンスを紹介します。
福祉施設・医療施設の経営者・管理者・スタッフ・関係者の方々の防犯対策向上のご参考となれば幸いです 🙂

千葉県社会福祉協議会「社会福祉施設の防犯対策」講演表紙

1.社会福祉施設「防犯対策の基本」防犯対策の必要性

社会福祉施設においては防犯対策よりも火災や自然災害への対策が重視されてきた傾向があります。
その背景には、火災については消防法が、自然災害についてはBCP策定が義務付けられていますが、防犯設備については義務化されていないということが大きいと思われます。

併せて、一部の施設関係者の方々が目に見えないリスクを軽視する傾向もあり、実際に何らかの犯罪被害にあってから防犯対策に着手する事例も多くあるようです。
「自施設で犯罪が起こるはずがない」と楽観視するのではなく、「もしかすると犯罪が起こるかもしれない」と考えて行動する必要があります。

特に2016年に発生した相模原障碍者施設殺傷事件などを受け、厚生労働省通知においては、今回ご紹介する「防犯環境設計」による合理的な防犯対策構築を推奨しています。

大小さまざまな犯罪被害リスクを軽減するには、日頃からの防犯対策が重要です。
施設マネジメントに必要な「ヒト・モノ・カネ・情報」を取り巻く犯罪リスクを把握し、それらに対して効果的な防犯対策を講じましょう。

地域社会の重要なインフラである社会福祉施設において、利用者をはじめ、スタッフ・関係者の安全・安心を守ることは、社会的使命であるとともに、地域での社会的評価や利用希望者およびその家族などからの信頼の向上につながり、これらは経営の安定にも大きく寄与するものです。

2. 社会福祉施設「防犯対策の実践的スキル」世界基準の習得

「セキュリティ」とは?

まずは「セキュリティ」の定義について解説します。
今回の「防犯対策」の主対象である「犯罪」は「セキュリティ」の扱う多様なリスクの一つです。
広義の「セキュリティ」とは社会に潜伏する「多種多様な脅威」=「リスク」から、私たちの安全・安心・快適な社会生活や企業活動に不可欠な「ヒト・モノ・カネ・情報などの資源」=「リソース」を守るための総合的な対策のことです。

セキュリティ対策のイメージ図

セキュリティ対策のイメージ図

「犯罪機会論」とは?

次に、重大な「セキュリティリスク」である犯罪発生を抑止するための理論について。
「犯罪機会論」とは、犯罪の発生は、内面に犯罪動機を抱えた個人・集団がいて犯罪の実行機会・チャンスがあって初め実行されるつまり「機会なければ犯罪なし」という立場です。
犯罪者にとって犯罪の成功とは、自分の内面に抱えた欲望・目的の達成と共に、捕まらないことが大きな課題なのです。

そのため人一倍慎重になっている犯罪企図者は「犯罪機会」=「犯罪が成功しそうな雰囲気」があって初めて犯罪に着手します。
つまり、犯罪を抑止する防犯対策は「犯罪機会」=「犯罪が成功しそうな雰囲気」を醸し出す場所を撤去・改善・回避などの対策をとること。

犯罪者はウソをついても「場所はウソをつかない」のです!
これこそが、これからの効果的な防犯対策であり、犯罪発生を予防する「リスクマネージメント」と言えます。

犯罪学先進の欧米で1970年以降に研究が進み、代表的な「割れ窓理論」「防犯環境設計」等を筆頭に犯罪抑止のグローバルスタンダードとなっています。

「防犯環境設計」とは?

「犯罪機会論」から発展したセキュリティ構築の世界基準で、地域に犯罪予防・安全確保に適した物理的環境・社会的関係を築き総合的にセキュリティを構築する手法
千葉県社会福祉協議会「社会福祉施設の防犯対策」防犯環境設計

「防犯環境設計」四つの基本原則

「防犯環境設計」は以下の4つの基本原則から構成されています。
1.「被害対象の強化・回避」

リソース(人物・設備・金品など)を、犯罪企図者などから守るべく、窓やドアなど開口部を「防犯建築部品」認定の錠前・防犯ガラス・防犯面格子等で物理的に強化したり、非常時に退避するシェルターやパニックルームを設置するなどにより被害を防ぐ。

2.「接近の制御」
頑丈なフェンス、ゲートや出入管理システムによるドア等により、リソースへの接近をはかる権限のない部外者を排除する。

3.「監視性の確保」
見通しの良いフェンス・監視カメラ・照明設備等の設置、警備員の配備などにより、リソースを取り巻く建物・敷地内の監視性を高めて、犯罪企図者を早期に発見し、犯行を抑制する。

4.「領域性の強化」
フェンス、看板、地域社会と連携した美化運動・情報交換などにより、敷地、周辺地域での「縄張り」を明確にして、領域性を強化。それにより犯罪企図者の下見目的の接近・滞留を防止する。

詳しくは下記のリンク記事を!
「防犯環境設計」防犯対策の世界基準を簡明に解説!

3.「相模原障害者殺傷事件」の概要・問題点

セミナーでは「相模原障碍者殺傷事件」についてケーススタディしました。

詳しくは下記のリンク記事を!
相模原殺傷事件で検証!福祉施設の防犯対策

4.防犯対策構築の課題にチャレンジ

最後に、社会福祉施設の管理者の皆様に下記の課題に挑戦していただきました。

1.「自施設の防犯対策チェック」
社会福祉施設の防犯対策チェックシート

2.「某施設の防犯設備構築」
社会福祉施設の防犯設備設置にチャレンジ

以上、【千葉県社会福祉協議会様主催「社会福祉施設等の防犯対策講演」抜粋】についてお伝えしました。
少し専門的な講義ではありましたが、各社会福祉施設の管理者の皆様の積極的な参加のお陰を持ちまして、有意義な講演とのご評価をいただきました 🙂

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まとめ
【千葉県社会福祉協議会様主催「社会福祉施設等の防犯対策講演」抜粋】
*社会福祉施設「防犯対策の基本」防犯対策の必要性:
社会の重要なインフラである社会福祉施設において、利用者・スタッフ・関係者の安全・安心を守ることは、社会的使命であるとともに、社会的評価や利用希望者・家族などからの信頼の向上につながり、経営の安定にも大きく寄与。
*社会福祉施設「防犯対策の実践的スキル」世界基準の習得:
犯罪機会論と防犯環境設計。
*「相模原障害者殺傷事件」の概要・問題点
* 防犯対策構築の課題にチャレンジ

長くなりましたので本日はここまでとします。
最後までお読みいただきありがとうございます。

次回も心を込めてまして、皆様に最適な防犯対策・セキュリティノウハウを発信してゆきますのでよろしくお願いします。

「防犯対策研究所」
アルファセキュリティ株式会社
代表取締役 新井富美男

アルファセキュリティ対応エリア:関東・群馬・前橋・高崎・伊勢崎・東京・埼玉・栃木を中心に、日本全国は総合防犯士会のネットワークで対応

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